杢目金(もくめがね)とは?
木目金は「もくめがね」と読みます。同じ読み方ですが、漢字で「杢目金」と書く事もあります。どちらも正しい書き方になります。海外でも日本と同じ呼び方で「mokume gane」として広く知れ渡っています。
異なる金属を重ね合わせ、高温で熱した後に金槌などで叩くなどして鍛え、美しい木目状の模様を作り出す「日本発祥」の伝統工芸技術。
機械化、複製による大量生産の結婚指輪が溢れる現代とは大きく異なる、約350年前の江戸時代初期と同じ手作り工法です。
木目金の木目模様は、共に寄り添い、時を積み重ね合わせていく夫婦のそれと符号し、
同じ木目模様を複製する事が困難な為、「世界に一つだけの手作りの結婚指輪」として海外でも話題になっております。
木目金の歴史
江戸時代に日本人が発明した木目金の製作には大変な労力がかかる為、使用には大名や上級武士が持つ刀装具などのみに限られていました。あまりにも面倒な製作法ゆえ、一度廃れかけていた秘術だったのですが現在、結婚指輪(マリッジリング)などのオーダーで注文する人が急増しています。
木目金の魅力
1、木目金は、出羽秋田住正阿弥伝兵衛という日本人が考案した「日本発祥の伝統工芸」。
2、木目金が誕生した江戸時代では、地位の高い人のみが身につける価値の高いものだった。
3、海外では、日本の伝統「mokumegane」としてテレビで放送されるなど、日本よりも認知度が高い
4、模様が木目という、テイストまでもが日本らしい「和」を感じさせるという事。
5、二度と同じものを作る事ができない。という他の結婚指輪にはない付加価値がある事。
木目金の種類
木目金でつくられるのは主に刀装具が多かったようです。煙管、菓子器、香炉などもありますが、かつて日本では指輪やペンダントを身に付ける習慣が無かったためです。
さらに、プラチナがジュエリーに使用されるのが一般的になったのは数十年。という事はプラチナの木目金が一般にお目見えしたのは、ここ数年の事なのです。
【参考文献】
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宝石の四季 No.198 No.199 技の伝承 木目金の技法について
アートマニュアルシリーズ メタルのジュエリークラフト