木目金の結婚指輪・手作りの方法
木目金に多く使用されていたとされる、金・銀・銅の組み合わせによって形成された地金板を用意する。(ピンクゴールド、オレンジゴールド、レッドゴールド、イエローゴールド、グリーンゴールド、シルバー等)
金属間化合物を形成しない金属を選び、重ね合わせた板の間に一切異物が混入しないよう注意する。
プラチナ、ホワイトゴールドを使用した木目金は現代のニーズによって生まれた新しい木目金のため、ここで紹介する手法とは違う方法で当工房は造っている。
1000度の高温に耐えうる特殊な金属でできた治具で強力に挟みこむ。
実は金属は熱で溶融しなくても接合できるのですが、金属を溶かさないで接合するには原子サイズレベルの凹凸、酸化皮膜、汚れも取り除かなくてはなりません。
約1000度近くの温度まで熱する。
金属を高温の熱で溶かせば、金属同士を溶接する事ができます。
高温で熱することにより、金属表面にあった酸化皮膜や汚れが溶接部上に浮かび上がり、空隙や酸化物などの欠陥が無くなるのです。
これを「拡散接合法」といいます。
江戸時代から行われていた木目金を手作りする方法です。
下が拡散接合法で一体となった地金の拡大写真。
当工房では溶かすレベルまで高温で熱しているため、この時点で少し波打っています。
ねじる、曲げる、削る、叩く。
何をしても接合された板が剥がれる事は絶対にありません。
この時点で通常の貴金属よりも丈夫に出来ています。
ねじる、曲げる、削る、叩くなどして重ね合わせた異素材の地金を混ぜて木目模様をつくる作業にとりかかる。混ぜるとはいっても、液体では無いのでそれなりの「力」が必要になる。
高温で熱したままの状態でねじったり、曲げたりするので、厚い皮手袋をはめ、ペンチを使って力強く作業を行う。
この手作り手順で「二度と同じ模様は造れない、世界で一つだけの木目模様の木目金」が造られる。
さらに金槌で叩き圧縮する事により貴金属の密度を高め、強度のある地金を作り出します。