木目金について
今から350年前、江戸時代から伝承される「木目金」が世界に羽ばたいたのは今から約30年前の事。 人類が金属の道具を使用し始めたのが、約6千年前。この広い地球上で約6千年という長い間、 「異なる金属を重ね合わせ拡散接合し、展性、塑性(延性)に富む貴金属を応用して木目模様を最初に作った」民族は日本人でした。
出羽秋田住(出羽ノ国、現在の秋田県在住)正阿弥伝兵衛が発案したとされる木目金は様々な色金を使って美しい木目模様を出す、日本が誇れる伝統文化です。
日本の製造業と、その精神性や歴史を表す言葉として「ものづくり日本」という言葉がありますが、まさに「木目金」は手作りを重んじる日本人らしいの精神性が生んだ伝統といえるでしょう。
労力がかかり、貴金属を贅沢に使用する木目金は、大名や上級武士が持つ刀装具のみに使用が限られていたため、江戸時代当時に作られた現存する木目金は大変少なく貴重なものとなっています。
今から約140年前に帯刀が禁止される「廃刀令」が公布された事で、伝承された木目金を知る多くの職人達が廃業に追い込まれました。
その頃、木目金の技術の伝承が途絶えてしまいましたが、知れば知るほど奥深い「木目金」の魅力が人々の記憶に残り、現在のように結婚指輪などに使用される事が多くなり復活への道を辿る事となりました。
一見しただけでは、気がつかない木目金の魅力を少しでも多くの方に知ってもらうのが当社の役割でもあります。
【参考文献】
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2005年10月19日 毎日新聞 地方版/秋田 24頁
宝石の四季 No.198 No.199 技の伝承 木目金の技法について
アートマニュアルシリーズ メタルのジュエリークラフト